塗装作業において、
組み立て前に塗装を済ませておいた方がいいのか?
組み立て後に塗装する方がいいのか?
皆さん塗装のタイミングで迷われたことはないでしょうか?
私は、『夢中で作業をしてて気が付いたら組み立てが終わってた。』ってことが多く
場合によっては塗装がやりにくくなってしまうことがしばしばありました。
本当のところどのようにした方がいいのか、
今までの経験から私が現在はどうしているのかお話しさせていただきますので
塗装について迷われた場合の参考になればと思います。
理想を言えば、塗装が容易に出来て作品の仕上がりも良くなることから
組み立て前に塗装をしてしまう方がいいのだと思います。
しかし、現実的にはそれが出来ない場合が多くあって
『その場その場のケースに合わせていつ塗装をするのか判断が必要になってくる。』
と言うことになってしまいます。
私が塗装工程をどこに持ってくるかの判断は
①強度、②仕上がり、③作業のしやすさ
この3点で妥協出来るところを探して優先することを決めています。
塗装を先に行うメリット
何と言っても塗装のしやすさにつきます。
・塗装面を上に向けて塗装出来る。
組み立て後、特に塗りにくいのが天板などの裏面です。
小型でひっくり返すことができればいいですが、
上を見上げての作業になれば無理なく姿勢になり作業がが大変です。
その点、組み立て前の塗装は材料を水平にして見れるので楽に作業が出来ます。
・入り隅部分などの細かい部分がなくなる。
凹んだ角、細かく仕切られていたりする場所など
手が入りにくい部分は作業の質が落ちてしまいます。
組み立てる前の平面での作業は質の向上が望めます。
デメリット
・乾燥方法を考える必要がある。
特に場所と時間が問題になってきます。
材料を広げての塗装になりますので大物になればそれなりの広い場所が必要です。
ない場合は、塗り終えたパーツを片付けて次のパーツと言ったように
塗装と乾燥、材料の入れ替えが何回も発生し、
時間が掛かってしまいます。塗料の色を自分で調整していれば
その間の保管についても考えておく必要があります。
・塗装後に材料の加工が必要となった場合、再塗装が必要になる。
寸法通り材料を用意していても、材が微妙に歪んでいたりして
思わぬところでどうしても組めなくなる場面があります。
材料の寸法調整で削ったり切ったりが発生してしまうと、
その時はもう一度塗り直すことになり二度手間となってしまいます。
・接合部分について事前に塗料が付かない工夫が必要になる。
木材の接合にはビスを使用するにしても接着剤(木工ボンド)の併用が必要です。
使用する木工ボンドは木材の接合において正しい接着方法を
用いれば強力な接着力を発揮します。
しかし、塗装面への使用は塗装後の塗装面の処理方法や
塗料の種類によって違いがありますが
接着力の低下は避けられないものとなります。
したがって、十分な接着強度を持たせようとする場合は
塗料が付かないように接合部に保護措置が必要で
この養生作業がバカにならない手間となります。
私はこうしてます。
①色はできるだけ一色にする。
別の色がはみ出てしまうことがありませんので気兼ねなく作業ができます。
②塗りやすい塗料を選択。
ワックス、オイルステインを好んで選択しています。
結構、適当に塗っても色ムラになりにくいですし、
ムラ自体が気にならないので出番が多くなります。
油性の匂いが気になる方は水性のステインもあります。
少し薄めて重ね塗りすることでムラなく塗れます。
③簡単な構造で小さなものなら後から塗る。
全体のボリュームが小さければ集中力が続きます。
それに奥行が小さければ奥まった所も、それほど塗るのも困難ではないでしょう。
④接合部の木口、木端は塗らない。
当然ですが隠れるのであえて塗りません。
少しはみ出るくらいは気にしないようにしてます。
⑤塗膜ができるような塗装では、表面をペーパーで荒らしておく。
気やすめ程度ですが、少しは接着性が上がります。
⑥『これ以上組み立てると塗りにくくなる』と言うタイミングがあればそこで塗装します。
例えばテーブルは天板を乗せる前に脚と天板を分けるなどして塗装してます。
作り始めるときにあらかじめ塗装はどうするか考えてから作業するといいですね。
まとめ
DIYで組み立て前に塗装を行うことは、(特に中型以上のものは)
乾燥させるスペースや塗装にかかる時間に制限が大きく現実的には困難な場合があります。
私自身も、一度も全てを前もって塗装したことはありません。
組み立てを優先し、仕上がりは塗りやすい塗料をなるべく選択して、
作業性に支障がありそうな場合は途中で塗装作業を行ってから組み立てるようにしてます。
このように『作業のしやすさ』を重視しつつ
出来るだけ木工ボンドの接着性にも気を付けるようにしてます。
ご参考になったでしょうか?
最後までご覧頂きありがとうございました。
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